
2020年を目処にサービスがスタートする「5G(ファイブ・ジー)」ですが、いよいよその年まで1年と僅かになりましたね。5Gは今主流の4Gの次に来る通信技術となるため、次世代通信と言われていますが、単純に速度が向上するだけでなく、社会全体の仕組みも大きく作り変えるという見方もあります。そのための大きな役割を果たすのは、「Massive MIMO(マッシブマイモ)」という技術。
そしてソフトバンクでは、2016年時点で世界に先駆けて、「5Gプロジェクト」という企画を発足し、マッシブマイモを既に展開しています。
それではこの5Gの、どんなところが凄くて、我々の生活にどの様な影響を与えることになるのか、マッシブマイモも含め、詳しく解説したいと思います。
目次
5Gで変わる生活スタイル
5Gや今主流の4G、そしてその前身となった3Gなどの「G」は、Generationの頭文字から由来しています。要するに5Gは第5世代という分類になっています。
次世代の5Gには、主に以下の3つの特徴があります。
- 高速大容量
- 多接続
- 低遅延
これらの特徴は、一体どのように活かされてくるのでしょう?
5Gの影響①画像→動画がコミュニケーションの中心に
携帯電話におけるコミュニケーションの変化は、こんな流れだったかと思います。
【2000年代】
- メールやSMSなど個人間の文字のやり取りが中心
- メールに画像を添付すると送信に時間も通信費もかかる
【2010年代】
- 4Gが普及し通信速度が急激に向上
- 通信環境が整いSNSも普及
- SNSへ画像の投稿が当たり前に
いま主流となっているコミュニケーションと言うと、ツイッターやインスタグラム、Facebookなどにコメントや画像をアップすることが思い当たりますが、5Gになることで以下の変化が予測されます。
【5Gになって通信速度が速くなるとどんな変化が起こる?】
- WiFi通信している感覚で画質を気にせずビデオ通話や動画視聴が容易になる
- 外出先でも通信速度の心配をせずにビデオ通話ができるようになる
- メールやSNSで動画の容量を小さくしなくても画質を保ったまま送信できる
- 4K・8Kに対応できる準備も進行中
今やSNSに画像を投稿して楽しむことは、当たり前になりましたよね。その背景には、4Gなどが普及したことによって、通信速度が大幅に改善され、画像のやり取りが容易になったことが大きく関わっています。
これが5Gに変われば、動画を投稿することがメインとなることが予測されます。メールやSMSなどの容量を落とさず、高画質動画を送信できるようになるでしょう
また、テレビなどは4K・8Kへの移行に進み始めていますが、ネットもこれに徐々に対応していける様、環境整備の準備をしている段階です。
5Gの影響②どんな場所でもスマホが楽しめる!
5Gが普及することによって、どんな場所にいても中継を楽しむことが可能になります。具体的にどういった楽しみ方になるのか、ピックアップしてみます。
【5Gのスマホは中継に特化】
- スポーツ観戦・コンサート・イベントなどのライブ中継が場所を選ばず楽しめる
- だから自宅にいないときの野球やサッカーなどの観戦も諦めなくてOK
- スタジアム内でテレビ中継では見られない好きな選手にフォーカスした視点の配信も
特にソフトバンクは、4Gの段階でヤフオクドームにて既に試験的に実装しており、ストリーミング配信を実現しています。
しかし4Gだと、スタジアムの様な観客が多い場では高速性が発揮されないことがあります。しかしこれが5Gになれば、同時にスマホを大観衆で使用したとしても、メッセージの送受信やインターネットへのアクセス程度であれば、スムーズに操作できることが想定されています。
5Gの影響③働き方の常識が変わる
5Gは、就業形態も根底から覆すと考えられています。
【5Gが変える仕事スタイル】
- 会社を拠点としないリモートワークに移行して働き方改革が急速に発展する見通し
- 自宅で仕事と子育てが両立できる手助けにも
- 離れた場所からやり取りできるので一箇所に集まらずとも会議ができる
その場にいない相手を身近に感じながらの会議を実現できるかも
Massive MIMO(マッシブマイモ)とは?
現代の通信技術は、日を追うごとにデメリットが肥大しています。その理由は以下にあります。
▶人混みの中でスマホを利用するとネットが遅くなる
▶その理由は一つの基地局を大勢で利用しているせい
▶基地局を増やしすぎても基地局同士が干渉して却って混雑を悪化させる
▶特に都心だと基地局を置く場所が限界に達しているので別の突破口が必要
そんな状況を打破するのが、「Massive MIMO(マッシブマイモ)」の技術。マッシブマイモは、今までの通信手段とは全く別の方法を取ってインターネットに接続できる技術を採用しています。そして比較すると、その違いは明らか。
【今までの通信技術】平屋の一軒家で数人が共同生活している状態→周波数をシェア
【マッシブマイモ】一人につき一部屋が割り当てられている状態→周波数を占有
ソフトバンクがいち早くマッシブマイモを提供できた背景
まず、ソフトバンクがマッシブマイモを世界最速で採用できた背景を説明する前に、LTEの通信規格、TDDとFDDを理解しておきましょう。
LTEの通信規格
【TDD】上下で同じ周波数を利用
【FDD】上下で違う周波数を利用
ソフトバンクのグループ企業「Wireless City Planning」は、このLTEに関する研究を以下の流れで進めて来ました。
2010年:AXGP(TD-LTE互換)の技術の研究に着手。
2012年:AXGP(TD-LTE互換)を商用開始。
2016年:この研究がベースとなり、マッシブマイモ世界初展開に至る。
2020年を前にして4年も先駆けて世界初展開された理由には、この様な経緯があったからなんですね。
ソフトバンクのプロジェクト「5G×IoT Studio」
ソフトバンクでは、5Gの普及に伴うあらゆる仕組みへの変化に備えて、5G×IoT Studioというプロジェクトを発足しました。
IoTとはITの一部で、Internet of Things(モノのインターネット)の略になり、これまでインターネットとの接続とは縁のなかった「モノ」がセンサーを組み込むことでインターネットに接続される状態のことを指します。IoTでは、ずっと埋もれていたデータをサーバー上で、処理や分析、変換、連携といったことができるようになります。それにより、これまでに無い高い価値やサービスの産出も期待されるでしょう。
5Gが本格始動するにあたり、このIoTが実装されることが、より現実的になってくると考えられます。そのためソフトバンクでは、プロジェクトの発足と共に実装実験を通じた研究開発にも着手しています。
【Iotの普及によって実現できるミライ】
★外出先でもエアコンやテレビの遠隔操作が可能に
★介護による家族の負担を見守り機能の応用で緩和
★自宅の状態をスマホでチェックして外出中でも鍵の閉め忘れに対応
★自動車の自動運転システムの開発も進行中
★交通機関のリアルタイムな運行情報も調べられる
他にも物流や医療、産業、農業などの現場において、IoTの導入が予測されています。自身の健康状態を常時チェックできたり、ロボットの普及で人員不足を解消したり、農産物の肥料や水やりを機械化したりと、5Gが主流となれば、あらゆる現場でのIoT導入は必然的となるでしょう。
また、ソフトバンクとホンダの共同研究開発のニュースも記憶に新しいかと思いますが、それもこの5G×IoT Studioの一環となっています。
5G×IoT Studioのトライアル環境
さらにソフトバンクは、5GとIoTの技術検証が行えるトライアル環境をオープンしています。都内に限りますが、実装場所と設備内容は以下からご確認を。
ー | お台場ラボ | 東京フィールドエリア |
場所 | テレコムセンタービル 東京都江東区青海2-5-10 | 赤坂エリア/芝大門エリア ※さらに拡大する予定。 |
5Gの体験内容 |
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周波帯域 |
4.5GHz帯 | 【実験周波帯域】 周波数帯:4.5GHz帯 帯域幅:100MHz 基地局数:2局 |
【お台場ラボ】
5G×IoTの業務への導入を検討する法人向けの屋内トライアル環境。見学や問い合わせは企業からのみ受付。
【東京フィールドエリア】
人口密度の高い都心部での実証実験。品川エリアにて実際の使用環境に近い内容で、2020年の商用サービスを目指した5Gの性能の検証の場。
要するにお台場ラボの方は業務用で、東京フィールドエリアの方は民間用ってことになりますね。後者は人がたくさん集まる場でも、5Gは機能するのか?という実験も兼ねています。
ソフトバンクは5Gのサービス開始に向けて続々準備中!
2020年に実装される5Gにおいて、ソフトバンクは様々な取り組みをかなり早い段階から準備していることが分かりました。それでは今回のポイントをおさらいします。
★5G×IoTの普及によって日常生活や仕事がもっと便利に
★ソフトバンクは5G×IoTの普及に備えた研究に精力的
★ソフトバンクは「5G×IoT Studio」のトライアル環境を実装(エリア拡大予定)
ソフトバンクユーザーなら、もしかしたら色んな便利サービスをいち早く体験できるのかもしれませんね!